婦人科疾患

病名・症状名 治癒 改善 不明 不変 総数
婦人科疾患 2 21 3 0 26
  更年期障害 0 11 1 0 12
不妊症 1 0 0 3 4

婦人科疾患の鍼灸は、自律神経や内分泌の機能を整える共に骨盤内の循環を改善する事を目標に行います。治療効果が期待できるのは生理痛、不妊症、妊娠中の諸症状、更年期障害です。

1.生理不順と生理痛、不妊症および妊娠中の諸症状

生理不順および生理痛の患者さんは、予測される生理の1週間前の治療が効果的です。はっきりしたデータの集計が出来ませんでしたが、冷え性等を治す事によってかなり高い確率で治っている印象があります。一例を紹介しますと、[子宮内膜症]という病気になり専門医の治療で病状は落ちついているものの、激しい生理痛だけはどんなに強い鎮痛剤を使っても治らない、という29歳の主婦に対し腰の8ケ所に鍼を刺し、その鍼の頭にお灸をする[灸頭鍼]で治っています。
 不妊症で来院された患者さん4人の内、妊娠する事が出来たのは一人ですが、この方の場合いわゆる[つわり]症状も鍼治療で即座に治っています。妊婦が体調を崩した時には、胎児への影響を考えると医薬品を出来るだけ最小限に止めたいところです。上記の症例の他に腰痛が2名、風邪症状が1名来院され何れもその症状が治っています。

2.更年期障害

卵巣の機能が低下する閉経期(45歳〜55歳ですが20代・30代の事もある)前後に現れる複雑・多彩な症状群を[更年期障害]といいます。婦人科のお医者さんでは[ホルモン療法]を中心とする治療を行いますが、薬理学の進歩で治癒率が高く、副作用が少ない医薬品が開発されていますので、安心してまずは婦人科のお医者さんの診察を受けて下さい。
 しかしあまりにも多くの症状が同時、あるいは前後して現れますので、他の病気との合併症の可能性もあり、重大な病気を見逃したり治療が長引く事もあります。そこで[更年期障害]の主な症状と婦人科以外の診療科目を以下に記しておきますので参考にして下さい。

東洋医学では、閉経に伴う血のアンバランスによって気の不調和(うつ病やイライラ等)を引き起こす症状群を[血の道症]といっています。鍼灸や漢方薬では、血の過不足を整えると共に気の調整を行う治療で好成績をあげています。([衛気栄血]参照)西洋医学の治療でも治らない時、自然治癒力による回復を希望される時には鍼灸や漢方薬をお試し下さい。
 養生のポイントは、バランスのとれた食生活、適度の運動、心の安定です。特に、穏やかな精神状態を保つためには本人の努力だけでは解決できませんので家庭内の思いやりが大切です。ご協力の程よろしくお願いします。


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