発会メッセージ

 
                                           

   

            

  「いま、本は消耗品として扱われ、知識の媒体としての価値さえも否定さ

れかねない状況にある。」と言ったら、「そんなことはない。」と言う人と「そう

かも知れない。」と言う人と二通りあると思う。

 しかし、現代の出版流通は2大取次会社(東販と日販という本の問屋=全出

版流
通の60〜70%を2社で占める)とコンビニによる大量出版(1日に150冊

前後が出版される)と大量処分(コンビニ、書店で返品された本のうち再生紙

化される本も多い)が主流を占めている

 そのことは、地方の中小書店への圧力(売り上げデータ重視により、新刊

本を注文しても配本されない書店が続出している)また、中小出版社に対す

る出版企画(売れる本重視の企画)等の介入が日常的に行われていることを見

でも明らかである。

 さらに、「本屋のコンビニ化」「コンビニの本屋化」が進み、文化的尺度も無

視され、「売れる本が良い本」として扱われる。売れない本は、即、返品、処

分され、出版社にさえも在庫がない状態が続いている。

 これは、知的文化の所産である本が十分に利用されず、地上から消えて

行くことであり、このような大量出版と大量処分(出版社は、そのことを前提

に定価を設定している)は、資源の有効利用、環境保護と言った時代に逆行

することであり、「文化の自殺行為」である。

 いかに、知的文化資産である本を利用・活用するかは、私たち一般読者の

双肩にかかっているのではなかろうか。そこで、読書人(読者+読者)での本

のネットワークをめざして「ブック・リサイクル鹿嶋野会」を発会しました。どうな

るかは、想像できません。しかし、この混迷した社会にあって、インターネットを

利用した読者+読者のネットワーク形成も、また、必要であろう。

 さらに発展したいものである。今後ともよろしく。



       平成9年9月13日
                    ブック・リサイクル鹿嶋野会
                    会長   森下  松寿