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実践・作成者:桑原 和彦 (TOSS茨城NEVER)
三年生の第一単元「わたしのまちみんなのまち」の指導実践を通して述べていく。東京書籍「新編 新しい社会3・4上」の教科書を使用した。教科書、最初の2頁・3頁の1枚の絵を使っての実践。
1
子どもが初めて社会科と出会う所である。どんな学習をするのかわくわくした気持ちで教科書の頁をめくるであろう。「社会って楽しいね。」「社会って面白いね。」と言う声が子どもたちから挙がる授業内容を目指したい。学年最初から読解力を育てるための布石として授業を組み立てた。
条件に沿った事項を絵から見つけさせる。 1時間目
「気球から何が見えるかな?」と、子どもたちに聞いた。全員が安心して答えられる事項を選択した。電車・学校・おまわりさん・ペットハウスなど子どもたちは我先に答えたいと集中した。
この助走の後、第一発問をした。
| ノートに「お店」の名前を全て書きなさい。 |
個条書きで書く「ノートの書き方」を黒板で提示してまず写させた。『1.本やさん』という風に。これだけの指示で子どもたちに取り組ませた。お店という「限定」があるから子どもたちは夢中になる。
「お隣さんと相談してもいいですよ。」と助言すると、「くすりやさんがある!」「花屋さんだ!」と宝探しでもしているかのように教室のあちこちで盛り上がっていった。
途中、お店を見つける手がかりとなるキーワードは何か?を全員で確認した。見た目から分かる『看板』がまず挙がった。次いで『旗』という意見が出た。素晴らしいと誉めた。これはお店の『のぼり』ということを教えた。確かに絵の中に、看板はないがのぼりがあるお店があった。(団子屋さん)
十個、二十個と書き出す子が出てきた。「十個かけたら1年生レベル。二十個かけたら2年生。三十個かけたら3年生です」と私が基準を示したから子どもたちはさらに見つけようとし始めた。
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条件に沿った事項を正確に解釈して取捨選択させる。
調べていくと、お店なのかお店ではないのかで疑問や討論が、あちこちで自然発生し始める。「けいさつしょってお店?」「お店だよう。」「えっ!?ちがうんじゃない。」「うーん。先生!」このような状態である。ここで、当然ではあるが、警察署はお店ではありませんと教えてしまっては台無しである。子どもに思考させて取捨選択させる絶好の機会なのだ。私は「どうだろうね?」と軽くかわして返答した。頃合いを見て、私は、いったん調べを止めさせて、全員にお店の意味を尋ねた。
「お店って買う所」「何か売っているところ」など意見が挙がった。最後に私が『売り物(商品)を並べておいて売る所をお店といいます』とまとめ、内部情報を蓄積させた。
その内部情報をもとに、子どもたちは絵の情報を解釈して、お店のみを取捨選択し始めていった。それでも「駅」や「図書館」をノートに書いている子がいた。それはそれで良しとした。間違うことも勉強なのだ。
この最初の時間は、お店調べだけで終わった。45分熱中である。「時間ですので、ここまでです。次の時間に発表してもらいます」と子どもたちに告げた。すると、「え〜〜}という悲鳴。もっとやりたい!と言うのだ。それで、その日の昼休みに4人で席をくっつけて調べる子達まで現れた。結局この子達は四十個の数を見つけていた。
3
2時間目、教科書の画像をプロジェクターで映し出し、お店を1つ1つ確認して、ノートに丸をつける作業をした。子どもたちは、前に出てきてスマートボードにペンでくるっと丸をつける作業に喜んでいた。次の発問に進んだ。
| 「図書館」はお店ではありません。たくさんの人が利用して欲しいと、町や国の人たちが建てたのです。これを公共施設と言います。では、ノートに「公共施設」の名前を全て書きなさい。 |
お店調べと同じように取り組ませた。これで、町には大きく分けて「お店と公共施設がある」ことを子どもたちは理解した。
4
3時間目は、「建物」を調べてきたので「乗り物」を調べさせた。自動車・電車・バス・タクシー・トラック・ダンプカー・フェリー・自転車・一輪車などなど、たくさん挙がった。前時同様、子どもたちと楽しく進んだ。そして、これは次の発問への布石でもあった。
5
なぜ?どうして?と示された状況を熟考し自分なりの意見を導き出させる。
4時間目に、このような発問を出した。
| 歩道橋があります。見つけてご覧なさい。どうして、ここに歩道橋があるのですか?理由をノートに書きなさい。 |
これは、熟考せざるを得ない。答えが書いてあるわけではないからだ。しかし手がかりは、絵の中にあるのだ。
子どもたちはこのような理由を書いていた。
・交通事故が多いから。
・車がたくさん走るから。
・道路が広いから。
・お年寄りが歩くから。
・歩道がないから。
このようにノートに書いたらら、教師に見せに来させる。個別評定をするのだ。10点満点で点数のみを次々とつけていく。その評定に、子どもたちは一喜一憂して席に戻っていく。たまに「7点!」とか聞こえるとどよめきが起きる。良い意見は、黒板に板書させる。板書することで、できない子どもたち・理由の思いつかない子どもたちへの参考となる。大切なことだ。
子どもたちから出なかった理由を私はこのように話した。
『交通事故が多いからは、とっても良い理由です。それを踏まえて、先生は「たくさんの人たちが通る場所だから」と考えます。歩道橋の周りには何がありますか?(学校)(スーパー)そうだね。たくさんの人たちが集まりますよね。人がたくさん集まるということは交通事故になることが多くあります。 先生は、この学校に来る前の学校で働いていた時にこんなことがありました。小学校1年生がトラックにひかれて大けがをした交通事故がありました。そこは、大きい道路で、学校近くでしたが歩道橋はありませんでした。青だ!と思って飛び出してしまったその子は、左に曲がってきたトラックに巻き込まれるように引かれてしまったのです。足のお肉がはぎ取られてしまいました。命は助かりましたが、お尻の肉とかを移して手術したため、退院しても走ることはできなかったそうです。それからです。その学校のRTAの方や先生方、保護者の方々が立ち上がりました、歩道橋を造って欲しい!という署名運動です。もうこんな事故は二度と起こって欲しくないという思いからです。この署名運動は3年程続けられました。そしてどうなったと思いますか?(できた)そう、歩道橋ができたのです。(やった!)だから、人がたくさん集まる所には歩道橋が必要だと先生は考えます。』
子どもたちも、納得してノートに写していた。こうしてさらに、1枚の絵の見方が深まっていった。
その後の熟考させた発問である。
| くねくねと曲がった道路があります。どうしてですか、ノートに理由を書きなさい。 |
正解した児童がいた。車のスピードを抑えることを見事当てた。
| 警察官が6人います。それぞれ、どんな仕事をしているのですか?ノートに簡単に書きなさい。 |
以上、1枚の絵から4時間も子どもたちは熱中して取り組むことが出来た。
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