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ほとんど全ての西欧諸国で、ダイオキシン 排出量に関する多数の調査が行われている。しかし多環芳香族炭化水素(PAH) に関しては、ほとんど調査されていない。また、同じ発生源から多環芳香族炭化水素類(PAH's)とダイオキシンの同時測定が行われた例は、きわめてまれである。ここで示すのは、Flanders地方(北部ベルギ−)での多くの発生源について、多環芳香族炭化水素(PAH)とダイオキシン排出量を広範囲に調査した最初の報告である。[59]:
既知発生源の大多数からのダイオキシン/フラン総排出量は、年間274グラム I-TEQ (国際毒性等価量)である。それに対し、多環芳香族炭化水素(PAH's)の総排出量は、年間284トンにもおよぶのである!もしPAH's中の BaP (ベンツピレン) 量を1%と見積もると、年間のBaP総排出量は、ダイオキシンI-TEQ量の10,000倍を上回っているのである。
ラットに対するガンのリスクを根拠とすれば、BaPはTCDD(テトラクロロジベンゾダイオキシン)と比べて、発ガン性は約1/20である。つまりガンのイニシエーター/プロモーター活性を根拠とすれば、BaP排出量はダイオキシンによるガンのリスクの500倍に相当している。そのほかの健康への影響 (Ah-レセプタ− との親和性を根拠とした) を考慮すれば、この係数は、2,000となる。
次の表は、ダイオキシンとPAH'sの関連発生源の大多数を、ダイオキシン発生量の順に並べ、健康への相対的影響のデータを加え、また文献にある他の発生源についてデ−タを追加したものである。:
| ダイオキシンとPAH排出量の健康への影響の比較 | ||||||
| プロセス: | ダイオキシン g I-TEQ/yr | PAH's ton/yr | BaP kg/yr | ガンのリスク比 BaP:TEQ | 毒性比BaP:TEQ | 出 典 |
| 鉄鋼生産: | 118.000 | 1.859 | 18.59 | 8 | 32 | [59] |
| 家庭の暖房: | 53.000 | 33.457 | 334.57 | 316 | 1263 | [59] |
| 家庭ゴミの焼却: | 9.170 | 0.029 | 0.29 | 2 | 6 | [59] |
| 産業用熱源: | 3.400 | 1.093 | 10.93 | 161 | 643 | [59] |
| 発 電: | 1.470 | 0.078 | 0.78 | 27 | 106 | [59] |
| 自動車: | 1.100 | 111.700 | 1117.00 | 50773 | 203091 | [59] |
| 家庭ゴミのドラム缶焼却 (1000 トン当たり): | 0.790 | 0.045 | 0.45 | 28 | 114 | [54] |
| 3隻の船舶のディ−ゼルエンジン: | 0.108 | 0.033 | 0.33 | 154 | 615 | [5] |
| デュッセルドルフ空港火災時に発生したすす(1トン当たり): | 0.052 | 4.986 | 0.26 | 255 | 1019 | [29] |
| 木材焼却時の煤煙(1000 トン当たり): | 25.000 | 0.050 | 2.65 | 5 | 21 | [61] |
コメント:
ダイオキシンとPAH'sの比率はプロセスにより大きく異なっているが、PAH'sは全てのケ−スではるかに排出量が多く、また毒性比率も高くなっている。最も比率の低いのは家庭ゴミ焼却であり、この場合ベンツピレン(BaP)とTEQ(ダイオキシンの毒性等価量)の比は、30:1にすぎないが、それでもガンのリスク比は1.5倍で、毒性比は6倍である。これはおそらくプロセス条件と排煙処理の結果であり、
ドラム缶焼却 での同じ種類のゴミの焼却では、測定されたBaPとダイオキシンの比率は400:1から16,000:1という結果になっている。
たとえ塩ビが医療廃棄物焼却時の全てのダイオキシン排出の原因になっているとしても、全くの天然で汚染されていない原料を使用している、鉄鋼業からの-主として鉄鉱石焼結工程からの-ダイオキシン発生量の方が、完全に200倍も多いのである。
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どんな種類の焼却であろうと暖房であろうと、また化石燃料を熱源としたどんなプロセスであろうと、そしてどんな内燃機関であろうと、PAH'sとダイオキシンの排出を伴わないものは無いのである。そのどんな場合でも、PAH's量はダイオキシンよりずっと多く、ガンのリスクと毒性についてもダイオキシンより高いのである。そして、PAH'sやダイオキシンの排出無しに生産、リサイクル、焼却出来るものなど何も無いのである。
これらの数値を根拠として、塩ビや他の塩素製品を完全に撤廃することを望んでいるグリーンピースやその他大勢の人々が、(ステンレス)スチ−ル、家庭用の暖房、外洋航行船舶(彼ら自身が保有する船団も含む)の即時禁止を求める行動に出ることを、私たちは期待しているのだが。… そして塩ビの炭素含有量は他のプラスチック類の半分しか無いので、PAH'sの排出に対して予防の原則を適用し、炭化水素を100%基本とする全てのプラスチックを、塩ビに置き換えるべきなのだが。…
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