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フタル酸エステルに関する専門家委員会のプレス・リリ−ス

CMAのフタル酸エステル専門家委員会の、グリーンピース(USA)の主張に対する回答

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PR Newswire 通信
1998年11月13日

11月13日、WASHINGTON発PR Newswire 通信
本日、化学工業協会(Chemical Manufacterers Association)のフタル酸エステルに関する専門家委員会から、次のようなコメントが発表された。グリーンピースは、子ども用玩具に主として使われるフタル酸エステル(DINP(ジイソノニルフタレ−ト))がヒトの健康に危害を及ぼしているという主張を述べたニュ−ス・リリ−スや報告書を発表してきた。グリーンピースは間違っている。その理由は次の通りである。

  1. DINPの曝露量は極めてわずかなものである。グリーンピースは、玩具を噛むことをスポンジを絞ることに例えて、スポンジから水が流れ出るように玩具からフタル酸エステルが滲出してくるといおうとしている。実際には、玩具から滲出してくる量は、極めて微量である。滲出してくる量は、マイクログラムの単位である。1マイクログラムは1グラムの100万分の1であり、1グラムは1オンスの10分の1よりも少ない。
  2. ヒトがガンになる危険性など全くない。グリーンピースは、玩具のDINPにガンを引き起こす危険性があると示唆している。DINPは、終生毎日大量に摂取させ続けたラットやマウスの肝臓に腫瘍を引き起こすことがわかっている。これは、特に驚くべき事ではない。DINPは、"ペルオキシソ−ム増殖因子(剤)"として知られており、マウスやラットの肝臓細胞のひとつの構成部分を増殖させるのである。もし,ラットかマウスが、長期間大量のペルオキシソ−ム増殖剤に曝されていると、最後には肝臓細胞の変化が腫瘍形成につながる。ペルオキシソ−ム増殖剤は、ヒトに対してはげっ歯動物と同じように働かない。このことは、ヒ トのモデルとして霊長類を使ったり、ヒトの培養細胞を使ったりして、実証されている。ヒトの体内で、ペルオキシソ−ム増殖剤(FDAが認可している多くの医薬品も含んでいるのであるが)がガンを引き起こす確率については、アメリカ合衆国や欧州のこの分野での最先端の研究者たちを含む、政府機関・学会・業界からの100人に近い科学者が参加した、1995年の国際シンポジウムで討論されている。このシンポジウムに参加 した科学者たちは、"予想される条件や曝露量のレベルでは、ペルオキシソ−ム増殖剤はヒトに対し発ガン性を示さないであろう。"と結論した(参考文献(a)参照)。ピーア・レビュ−(鑑閲)を受けている科学文献の中で、非常に多くの論文が、フタル酸エステル類のようなペルオキシソ−ム増殖剤はどんな起こり得る曝露レベルでもヒトに対し発ガン性を示さないという見解を支持している(参考文献(b)参照)。
  3. 発生あるいは生殖への危険性など全くない。グリーンピースは、DINPが生殖器に障害を与える危険性を暗に示唆している。しかしこの見解には科学的根拠が無い。事実、米国消費者製品安全委員会(CPSC)のDINPに関する速報では、商取引きされているDINPには、"発生毒性も生殖毒性も無い。"と結論付けている(参考文献(c)参照)。またその上、オランダの政府系科学研究機関であるRIVMは"ジイソノニルフタレ−ト(DINP)やジイソデシルフタレ−ト(DIDP)などフタレ−ト類が、生殖性、特に男性の生殖能力に影響を与えている、という証拠は何も無い。"と結論付けている(参考文献(d)参照)。
  4. 最近の研究では、DINPはエストロゲン作用をもたないと発表されている。グリーンピースは、DINPが擬似エストロゲン作用を示す危険性を暗示するため1997年の論文を引用している(参考文献(e)参照)。その論文は、DINPが"試験管"を使った研究で"極めて弱いエストロゲン活性を示した"という結果を報告している(DINPの活性は、ヒト・エストロゲンの活性の100万分の1であった)(参考文献(f)参照)。他の複数の"試験管"を使った研究では、DINPはエストロゲン活性を示さなかった。なおまた、このような試験管テストはスクリ−ニング手段として使用されているもので、内分泌攪乱作用の有無に関する臨界的研究は、生きている動物を使用して行われる。最近行われた動物試験では、DINPはエストロゲン活性を示さなかった(参考文献(g)参照)。
  5. 玩具中のDINPが健康に何らかの危害を与えると信ずる理由は全く無い。最近この問題の調査を行ったオランダ・コンセンサス・グル−プ(DCG)のひとつで、レポ−トがまとめられた(参考文献(h)参照)。このDCGのレポ−トは、幼児が許容一日摂取量(ADI)レベルより過剰なDINPに曝される可能性について評価したものである。このDCGがADIとして用いた値は、0.1ミリグラム/kg(体重)/日(mg/kg/day)であった。そのレポ−トでは、12から36カ月の幼児ではADIの値を超える可能性は無い、と述べている(参考文献(i)参照)。12カ月以下の幼児では、そのレポ−トは"99%の場合、曝露量は0.1mg/kg/day以下であり、95%の場合、曝露量は0.04mg/kg/dayより少ない。"と述べている(参考文献(j)参照)。そのレポ−トでは、12カ月以下の幼児で、曝露量がADIを超える統計学的可能性を認めているが、"余りにもまれな場合であるので、現状のデ−タを基にした統計学的確率の推算は出来なかった。"としている(参考文献(k)参照)。なおその上、このDCGが用いたADIは、17mg/kg/dayでもラットに何の影響も及ぼさなかったという1986年の研究を基にしている。更に多い投与量を使った最近の研究により、真のADI値はもっと高いことが証明されて来ている。特に、これらの研究では、90mg/kg/dayのレベルまで、ラットやマウスに何ら悪い影響を与えなかったことが明らかにされている。DCGで使用されたものと同じ安全係数を使用するなら、これらの研究は、ADI値がこれまでの9倍の0.9mg/kg/dayであることを示している。私たちが得ている信頼し得るデ−タでは、玩具がこの新しいADI値を超える曝露量を示す可能性は全く無い。

グリーンピースは、全地球規模で塩ビの全用途の対する反対キャンペ−ンを行ってきた。彼らの塩ビ製玩具に対する攻撃は、そのキャンペ−ンの一部と見られる。昨年、グリーンピースは、子どもが玩具から滲出した危険なレベルの鉛やカドミウムに曝されている、とクレ−ムを付けた。このクレ−ムは、米国消費者製品委員会(CPSC)により否認された。フタル酸エステルに関する専門家委員会は、現在のフタル酸エステルに関する主張も同様に全く根拠のないものであると確信している。

フタル酸エステルに関する専門家委員会は、塩ビ製玩具中のフタル酸エステルの安全性を最善の科学により評価出来るよう、DINPに関するデ−タと研究結果を提供し、CPSCと共同で作業している。

DINPは、最新の試験方法を使って、長年にわたってまた広範囲にわたって試験されてきた。この研究結果に基づいて、DINP製造メ−カ−は、DINPが塩ビ製玩具に適切に使用された場合、DINPは安全であり、子どもの健康に危害を加えることは無いと、固く信じている。

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参考文献:

(a) Cattley, R.C., DeLuca, J., Elcombe, C., et al. (1998). Do Peroxisome Proliferating Compounds Pose a Hepatocarcinogenic Hazard to Humans? Reg. Toxicol. Pharmacol. 27:47-60.

(b) E.g., Ashby, J., A. Brady, C.R., Elcombe, et al. (1994). Mechanistically-based Human Hazard Assessment of Peroxisome Proliferator- Induced Hepatocarcinogenesis. Human & Exptl. Toxicol. 13:(Suppl. 2), S1-S117; Bentley, P., Calder, I., Elcombe, C., Grasso, P., Stringer, D., and Weigand, H. (1993). Hepatic Peroxisome Proliferation in Rodents and Its Significance for Humans. Chem. Toxicol. 13:857-907; Lake, B.G. (1995). Mechanisms of Hepatocarcinogenicity of Peroxisome-Proliferating Drugs and Chemicals. Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 35:483-507; Williams, G.M., and Perrone, C. (1996). Mechanism-based Risk Assessment of Peroxisome Proliferating Rodent Hepatocarcinogens. Ann. N.Y. Acad. Sci. 804:554-72; Huber, W.W., B. Grasl-Kraupp, and R. Schulte-Herman (1996). Hepatocarcinogenic Potential of Di(2-ethylhexyl) Phthalate in Rodents and Its Implications on Human Risk. Crit. Rev. Toxicol. 26:365-481.

(c) CPSC, Preliminary Hazard Assessment of Diisononyl Phthalate (DINP) in Children's Products, Memorandum from M. Babich to R. Medford (Mar. 10, 1998), page 10. .

(d) RIVM, Consensus consultations on phthalate release from PVC baby toys (Press Release) (on the Internet at www.minvws.nl (click the following sequence of links: volksgezondheid; preventie en bescherming; folders & factsheets; beleid en achtergrond; consultations on phthalate release from PVC baby toys).

(e) Harris, C.A., Henttu, P., Parker, M.G., and Sumpter, J.P. (1997). The Estrogenic Activity of Phthalate Esters In Vitro. Environ. Health Persp. 105:802-811.

(f) Id.

(g) Zacharewski, T.R., Clemons, J.H., Meek, M.D., Wu, Z.F., Fielden, M.R., and Matthews, J.B. (1998). Examination of the In-vitro and In-vivo Estrogenic Activities of Eight Commercial Phthalate Esters. Toxicological Sciences (accepted for publication May 19, 1998).

(h) RIVM (Rijksinstituut voor Volsgezondheid en Milieu), Phthalate release from soft PVC baby toys: Report from the Dutch Consensus Group, RIVM report 613320 002, W.H. Konemann, ed. (September 1998).
The full test report can be downloaded from the Ministery of Public Health in The Netherlands in .pdf format.

(i) Id. at 8.

(j) Id.

(k) Id.

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